授業記録:宗教入門 ギリシャ神話 物語編B

ギリシャ神話における最強の半神半人

先日は「宗教入門 ギリシャ神話 物語編B」を開催しました。

今回スポットライトをあてたのは、最強の男ヘラクレス。
甲虫の名前や、サブカルチャーでも名前を使われ、
「力持ち」「怪力」といった印象が強いです。

ヘラクレスはギリシャ神話における最強の半神半人です。
そう、彼には神の血が混ざっているのです。
父親は、多神教の中でもリーダー格であるゼウス。
好色なゼウスは王女アルクメネと交わり、一子をもうけたのでした。

慣用句「ヘラクレスの選択」とは?

しかし、その行為をゼウスの正妻ヘラは見逃しません。
よってヘラクレスは生まれたときから、女神ヘラの憎悪の対象でした。
ヘラクレスの人生が困難に満ちていたのはこのせいです。
ヘラクレスとは、そもそも「ヘラの栄光」という意味です。

ヘラはヘラクレスに狂気を与え、彼の子どもを殺害させました。
罪悪感に苛まれたヘラクレスは12の難行をこなすことを決断します。

このエピソードから「ヘラクレスの選択」という慣用句が生まれました。
あえて困難な選択をして、栄光を掴むことを指します。

ヘラクレスの血を継ぐ歴史的偉人

ヘラクレスは自身の毒によってもがき苦しみます。
しかし、不死身ゆえに死ぬことができません。
彼は知人に火葬を依頼し、燃えさかる炎の中で息絶えました。
そして、神の世界で、神として列せられることを許されました。

しかし、ヘラクレスの子どもたちは地上で活躍を続けます。
その後、その子孫はマケドニア王国を建国し、
ついに紀元前4世紀にエジプトからインドまでを支配したアレクサンドロス3世にまでつながります。

もちろん、ヘラクレスは架空の人物、アレクサンドロスは実在の英雄です。
しかし、アレクサンドロスは当時自分の先祖がヘラクレスであることを信じていました。
当時の人がどれだけギリシャ神話を身近に考えていたのかがよくわかりますね。

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