映画「国宝」を教養初心者が考察する
もちろんです。以下の文章を、より読みやすく、親しみやすい文体に整えてみました:
🎬 映画『国宝』が公開されて3ヶ月。
7月のある日、最近すっかり世間から離れていた私のもとに、友人からLINEが届きました。
「ねぇ、映画『国宝』観た? 絶対観た方がいいよ!」
映画館なんて久しく行っていない私。最近はYouTubeばかりだったので、映画の話は新鮮でした。その友人は、ちょうど某歌舞伎役者の襲名公演を観たばかりで、その熱が冷めないまま『国宝』を鑑賞したようです。そんなに言うなら…と、軽く返事をしたものの、ふと思い立って朝の回に誘ってみることに。
結果、見事に“木乃伊取りが木乃伊になる”。鑑賞後は、同じテンションで感想をLINEし合っていました。
そんな話題作『国宝』について、当アカデミーのご重鎮が治体の広報誌にコラムを寄稿したとのことでフォーラムに投稿。要約は以下のとおり(AI生成)。
この映画には語り手(ナレーション)は登場しませんが、原作には独特な語り口がある。講談のような文体が、次第に歌舞伎の「口上」に似ていると気づき、語り手が「歌舞伎座の大屋根から見下ろしている」と語る場面から、語り手は“歌舞伎座の神”なのではないかと考察。芸の継承を見守る神の視点が、主人公の成長を語る構造に深みを与ている。
私自身も映画を観ながら、どこか“天の声”のようなものを感じていました。ただ、語り手は万菊(白虎)だと思い込んでいたので、この解釈にはハッとさせられました。なるほど、そういう見方もあるのかと。
でも教養初心者ここで終わりません。
名前が気になる。丹波屋の芸名が何の意味を持たない「半次郎」から、獣神の「白虎」に変わるのが気になる。映画では「なんで俺は半次郎なのに一郎なんや」というセリフもあり、ここに伏線があるように思え、また「歌舞伎の神」が重ってきました。
やはり、この「白虎」がキーワードなのでは…。
93歳でも「白虎」の名を降りれずに現役を通した万菊が若い二人を見守る「歌舞伎の神=白虎」であった説を突き止めるため、古代中国の四獣神のひとつ「白虎」の持つ意味を調べてみると…
”獣神白虎は、西方を守る霊獣で「戦」「病」「死」を司る強力な神格。鋭い牙と爪を持つ白銀の虎の姿で、祓邪や防衛に優れ、式神や護符としても活躍する戦の鬼神”
とのこと。なんとも鋭い観察眼(自画自賛)。
「白虎」は神、そして物語そのもの。やくざの殴り込み(戦)から始まり、若い二人の演技と演技(戦)い。そして糖尿病という(病)からの2人の死、そして万菊の「死」。白虎の力をうまく利用すれば、「悪いものを祓う力」にもなりえるということのようですので、人生の後半、菊次郎が悪魔(白虎)との取引で「国宝」になったと考えることもできそう。
若い2人が「白虎」をみて「これが国宝や」という記憶に残るシーン。そして最後に菊次郎が「白虎」となり人間「国宝」となるシーン。私の説があっているのであれば、吉田修一はこの「国宝」を書くにあたり、「白虎」の意味する三文字から考えたのかもしれません。小説家という職業人の教養は計り知れませんね。
いかがでしょう、この読解。
好きですか、この解釈。
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