授業記録:歴史入門 ハプスブルク家

なぜハプスブルク家は特別なのか

本日は「歴史入門 ハプスブルク家」を開催しました。

ハプスブルクという家名は、世界史を勉強する中で何度かであったことがあるはずです。
しかし、時折顔を出すハプスブルク家とは一体何者なのでしょうか?

まず、ハプスブルクは王家です。
しかし、王家といえば、イギリスではテューダー朝、
フランスではブルボン朝、そして日本にも天皇家があります。
それ以外にも国の数だけ王家は存在します。
なぜ、ハプスブルク家は特別なのでしょうか?

それは、一つの王家が複数の国を治めたことにあります。
なんと、彼らが治めた領土たるや、
現在のオーストリア、ドイツ、スペイン、イタリア、ベルギー、オランダ、チェコ、
ポーランド、ハンガリー、ルーマニア、ポルトガル、ブラジル、メキシコ、インドネシア…にまで及びます。
そこには5つの宗教、12の民族が存在し、
その多様な人々を600年間に渡ってハプスブルグ家は支配したのです。

オーストリアは、ハプスブルク家の名残

ハプスブルク家が治めた支配地をハプスブルク帝国と呼びます。
帝国とは複数の国を治める政治体制です。
では、なぜそんな最強国家が今は存在しないのでしょうか。

ちなみに、ハプスブルク帝国が現在に残したものは、オーストリア共和国です。
オーストリアと聞くと、音楽の都というイメージが強いですね。
まさかオーストリアがヨーロッパの覇権を握っていたなど想像できないでしょう。

結論を言えば、ハプスブルク帝国は第一次世界大戦の敗北をきっかけに、
オーストリア共和国に縮小されてしまいました。

では、なぜハプスブルク帝国は滅びたのか。
それは、近代になって国という概念が変わってきたからです。

「国」がハプスブルクを殺した

ナポレオンをきっかけに近代には国民国家が誕生します。
国民国家をものすごく簡単に説明すると、
国民がそれぞれ国家に所属している自覚がある国家のことです。

現代の僕らは「自分が日本人である」という自覚がありますね。
つまり、僕らは国民国家に所属しているのです。

裏を返すと、近代までその国に住んでいる人は
「自分が〇〇人である」という自覚がなかったのです。
自覚があれば、国民同士に連帯感が生まれ、
戦争となれば熱狂し、国民全員が戦ってくれます。

しかし、国民国家で大切なことがあります。
それは、国民同士の「共通点」です。
ハプスブルク帝国の偉大な点は、共通点がない人々をまとめあげたことにありました。
ですが、国民国家の熱が高まると、帝国内の民族はそれぞれ独立を志し、反乱が耐えなくなりました。

そう、「国」がハプスブルクを殺したのです。

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