授業記録:歴史入門 クレオパトラ
魔女か?賢女か?
本日は「歴史入門 クレオパトラ」を開催しました。
クレオパトラほど歴史上の女性で知られている人物もいないでしょう。
エジプトのファラオであり、ローマの英雄たちの愛人になったことでも有名です。
色仕掛けで男を誑かした魔女だという偏見も存在します。
その偏見は必ずしも嘘ではありませんが、
当時のエジプトの状況を知れば別の側面が見えてきます。
エジプトという難しい状況にあった王朝を
必死に守ろうとした賢い女性リーダーでもあったのです。
クレオパトラはエジプト人ではない
エジプトはかつて四大文明の一つに数えられ、
周囲の国々にも畏敬の念を持たれた国でした。
しかし、クレオパトラの時代になると、その面影はありませんでした。
地中海周辺はあの最強国ローマに支配されていました。
また、注目すべきはクレオパトラはエジプト人ではないということです。
彼女は外様のギリシャ人だったのです。
よって、エジプトの現地民を治めることはたやすいことではありませんでした。
そして、家族間でも裏切り行為が茶飯事でした。
そうなると、どうしても外部の調停役が必要になります。
政治的には荒れ果てながら豊穣な土地を持つエジプトに対して
ローマは積極的に介入し、いつしか属国に近い関係性になっていたのです。
二人のローマの英雄を虜にする
時折、歴史は神が操っているのではないかと思うときがあります。
しかも、その神は意地悪です。
エジプトはローマの介入なしではやっていけない。
しかし油断をするとローマに飲み込まれてしまう。
そんな時世に女王として即位したのがクレオパトラだったのです。
しかも、美女であったことで歴史はより波乱を帯びます。
当時のローマでもっとも力のあったユリウス・カエサル、
そして、カエサルの死後はアントニウスという軍人をクレオパトラは魅了します。
そして、彼らを骨抜きにし、エジプトの敵を討伐させつつ、
自身の女王の地位は約束してもらうという無理難題を見事に飲ませたのです。
しかし、分からないのは彼女の最後の行動です。
夫となったアントニウスはローマの敵となってしまいます。
政治的に考えればアントニウスは用済みです。
ローマは「アントニウスを引き渡せば、クレオパトラの命は約束する」と交渉を持ちかけられるのですが、
クレオパトラはそれを無下に断るのです。
そして、二人は自害し、最期を遂げたのでした。
彼女のこの決断は、政治的思惑を捨てた愛だったのでしょうか?
授業では、クレオパトラの真意を探るワークをおこない、とても盛り上がりました。
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