世界文学の最高峰に触れる ～知っておきたい大人の教養～

「赤と黒」ってどんなお話？

舞台は19世紀前半のフランス。
王政復古（せっかく革命を起こしたのにまた王政に戻ってしまった）時代。

主人公は美貌の青年ジュリヤン・ソレル。
家は貧しかったけれど、容姿端麗で頭がよく、それを武器に社会に戦いを挑んでいきます。

といってもすでにナポレオンは死に、武勲での立身がかないません。そこで僧侶階級に身を投じ、貴族社会に食い入っていくのですが、心の中では常に「武器をとれ！」と叫び、世界とわたりあうために女性を利用するのは義務だと自分に言い聞かせるのです。

スタンダールとはどんな作家？

彼はフランス生まれですが、イタリアの地をこよなく愛しました。

スタンダール作品は、はっきりとした文体で強い自我を描いたり、細かな心理描写や社会批判を伴ったりと、「近代リアリズム」の先駆けとも称されています。一方で、男女の愛憎などを描いた作品を持つスタンダールは、ロマンチストとしても有名です。

今回のセミナーでは「赤と黒」を通じて、人生の幸福を追い求めるとともに、旧体制の維持や復活に動く社会に反発したスタンダールについて学びます。