母を犯し、父を殺し、その自覚を持たない男の悲劇

今回ギリシャ神話 物語編Cと題しまして、ある一つのエピソードをご紹介してまいります。
その主役の名を、オイディプス王と言います。
オイディプス王はギリシャ神話の登場人物でありながら、神ではありません。
私たちと同様、人間です。
しかし、ギリシャの神々に託された言葉に影響され、自分の人生を切り開こうともがきます

オイディプスと聞くと馴染はないかもしれません。
しかし、エディプスと発音した場合、ピンとくる方も多いのではないでしょうか。
そう、オーストリアの精神学者であるフロイトが提唱したエディプス・コンプレックスです。
男子が母親に愛情を抱き、父親に嫉妬する無意識の感情のことをエディプス・コンプレックスと呼びました。

なぜギリシャ神話の登場人物の名がつけられたのか、
オイディプス王の悲しく残酷な物語を読み解くうちにそれは明らかになるでしょう。