授業記録:歴史入門 南北戦争
アメリカの分裂のはじまり
本日は「歴史入門 南北戦争」を開催しました。
南北戦争とは、19世紀に起きたアメリカの内戦です。
アメリカは建国以来、何度も外国と交戦しています。
その代表格は、第一次世界大戦、第二次世界大戦でしょう。
アメリカ人の死傷者は、第一次世界大戦が12万人、
第二次世界大戦が29万人。
しかし、内戦の南北戦争は62万です。
敵国ではなく、同士討ちでこれだけの人数が殺し合ったというのは、
現代まで遺恨が残ってもおかしくはありません。
同じ国のもと、意見は統一しなければならない
アメリカが南北に分かれてしまったのは、
いくつもの点で考え方が違ったからです。
北部は、商業がさかんで、政府の権力が強いことを望み、奴隷制に反対。
南部は、農業がさかんで、政府の権力が弱いことを望み、奴隷制に賛成。
商業と農業という主産業に違いがあることは戦争の理由にはなりません。
しかし、政府の権力の在り方、奴隷制に対する姿勢、
これらは同じ国である一つ以上、どちらかに決めねばなりません。
そして、それは自分たちの生業、つまりビジネスに大きくかかわっていたのです。
こう考えれば、同じアメリカ人同士が殺し合ったのも理解できなくはありません。
分裂は運命だったかもしれない
結果的に、北軍が勝利します。
つまり、「今後アメリカは、商業中心で、政府の権力が強いことを望み、奴隷制に反対」することが決まります。
南軍の主張は全否定され、彼らの文化自体も手放さねばなりませんでした。
名作映画「風と共に去りぬ」の原作を書いたマーガレット・ミッチェルは、
まさに敗北し、屈辱を味わった南部の人間です。
だから、この映画では、
主人公の白人令嬢スカーレットと黒人奴隷たちの和気あいあいとした交流が描かれます。
それは、暗に「北部が壊すまで、南部の世界は素晴らしいものだった」という主張なのです。
「黒人は奴隷であることに満足していた」と主張する人もいるほどです。
果たして、本当に白人と黒人奴隷が和気あいあいしていたかはわかりません。
むしろ、思い出の美化でしょう。
しかし、失くしてしまったものほど美しく見えるものです。
北軍は確かに奴隷制を撤廃しました。
けれど、南軍はそれがきっかけで奴隷制を美化し、
ますます黒人差別を強めていったしまうのでした。
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