授業記録:哲学入門 カント

カントは難解?意外と簡単!

本日は「哲学入門 カント」を開催しました。

ドイツの哲学者カントの名前を聞いたことがある人も多いはず。
しかし、その思想は難解だと言われていますが、
基礎を押さえてあげれば実に簡単です。

カントは何よりも道徳を重んじた人でした。
誰だってどちらが正しい行為なのか悩むことはありますよね。
そんなときカントの哲学は一つの道しるべを与えてくれます。

自由とは、自律である。厳しすぎない?

カントは、「自由」をこう定義します。
自分の決めたルールに従うこと、つまり自律であると。

簡単にいえばこうです。
サラリーマンとして働いていたら普通お昼からビールは飲めません。
ところが、熱くてたまらず、ランチの際、ビールを飲んでしまいました。

これを聞くと「自由だな~」なんて思います。
でも、カントはそれは自由ではないと説きます。

欲望の奴隷になるな!

その理由をカントはこう説明します。
持っているボールを離せば、そのボールは地面に落ちます。
このボールを「自由」な状態と言えるか?と。
ボールは重力に引っ張られただけです。

同じように、ビールを飲みたいという欲望が湧き、
その欲望に引っ張られて、ビールを飲んだのであれば、
それは自由ではなく、欲望の奴隷にすぎません。
そうではなく、欲望に抵抗し、
ビールを我慢することこそが欲望から「自由」になったといえるでしょう。

「仕事中は、お酒を飲んではいけない。」という、
自分の決めたルールに従うこと、
つまり、自分を律すること、これが自由=自律と考える理由なのです。

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