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「差別」でホテルに泊まれなかった話

ギリシャの哲学者アリストテレス

昨夜の授業は「哲学入門 アリストテレス」。
ギリシャの哲学者、万物の祖ともいわれるアリストテレスを学びました。

彼の主張を要約すると、
人間の幸せは快楽や自由にあるのではなく、
本来の目的に沿った人生を送ることだ、となります。

たとえば、ビジネスの才覚がある青年は
たとえニートとして生活したいと願っていたとしても、
起業家になるほうが幸せなのだ、ということです。

この主張に納得する人もいれば、疑問を感じる人もいるでしょう。
本人が望んでいないんだから、無理に起業させるべきじゃない。
そもそも、神様じゃないんだから、
「本来の目的」なんていうものはあるのだろうか、という批判です。

この反論はごもっともで、
なんでもかんでも「目的」があると考えることは、
とても悪いことにつながります。

目的を決めることは差別につながる

その結果が「差別」です。

乱暴な話で恐縮ですが、
たとえば、女性は子供を産むという目的があると決めつけたらどうなるでしょう。

様々な事情で産めない女性、
もしくは自らの意志で産まない女性を差別することにつながります。

別の例では、同性婚。

結婚の目的は「子供をつくるため」と決めるつけることで、
同性婚に反対する人もいます。

もちろん、同性婚に賛成でも反対でも
それは一つの意見だと僕は思いますが、
それでも「結婚の目的は子供をつくるため」という理由は少しおかしいのです。
なぜなら、男女の結婚でもお年を召してからされる方もいます。
そんな方々に対して、結婚を反対する人なんて見たことがありません。

自分が男性であることを意識した

では、差別は完全に悪なのでしょうか?

そうは思えないことを僕自らの体験で学びました。

ちょうど四年前、会社を退職した僕は
ニューヨークに一週間ほど滞在しました。

そして、帰路につき、大阪の関西空港に向かいました。
旅の疲れで爆睡していた僕ですが、
朦朧とする意識の中で飛行機が着陸したことを察しました。

しかし、窓から見える光景に何か違和感がありました。
そして、アナウンスを聞いて、驚きました。
なぜか、僕は名古屋に着陸していました(笑)
電車でもないのに、乗り過ごしなんてあるのか?とパニック。

事の次第はこうでした。
関西空港に着陸する直前、暴風雨が発生したため、
急遽、行き先を名古屋に変更したとのこと。

僕を含めた乗客はいったん空港へと向かいます。
時間はもう12時近くなり、皆疲労困憊でした。

航空会社がホテルを手配してくれることになりました。

しかし、その後のアナウンスはこうでした。
「たいへん申し訳ございません。
 女性とお子さんを優先して、お部屋に案内いたします。」

無理もありません。突然の事態ですが、部屋は確保できないでしょう。
そして、男性は宿泊の後回しになったのです。これは差別です。

ところが、僕自身はどう感じたかというと、
なんだか説明もしようのない興奮を感じたんです(笑)

「そうだ、僕は男なんだ!」
「女性や子どもを守らなければいけない男なんだ!」

男女同権の時代に、性の違いを意識させられることは少なくなりました。
しかし、緊急事態が発生したとき、
男女の「目的」があらわになったといえるでしょう。

少なくとも男性は強い肉体を持ち、体力も備えているわけです。
つまり、男性の目的は弱い立場の人間を守ることとなります。

「となります」という言い方をしているのは、
やはりこんなことを大きな声で言えば、
「男だって体力がなくて困っている人もいるんだ」とか
「女性を弱いものと決めつけている」とか、炎上確定です。

しかし、あのときの感覚は優越感とはまったく異なるものです。
たとえば、小さい子どもが初めて何か役割を与えられたとき、
喜んでそれを全うしようとする無邪気な感覚に似ています。

それに男だからという理由で、
夜通し空港にいなければいけないにも関わらず、
それが栄誉だと思えたことも自分で不思議でした。

男女という性差が存在しないかのように振舞う社会は、
炎上が起きないという点では良いでしょう。
しかし、今回の事例から察するに、
男性の目的(役割)、女性の目的(役割)という観点で
ざっくばらんに見直してみるのもいいかもしれないということです。

(だからといって、男は仕事で、女は家事なんていう
古い考えに戻れと言っているわけではありません。
それぞれに得意なことはやはりあるということです)

 

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